
ホイールを組むうえでスポークの長さを決める作業が、実は結構難易度が高かったりします。
リムの寸法やハブの寸法から三角関数をつかって計算するのですが、最近は以下のような便利なサイトもあります。
https://jitensha-tanken.geo.jp/spoke.length.html「自転車のスポーク長計算器」
計算によって求められる数値に、テンションによるスポークの伸びなどの補正誤差を勘案して実際に使うスポークの長さを決めます。
下の写真は同じスポークとニップルで、スポークの長さの差によるニップルとスポークの位置関係を4パターン示しました。
適正なスポークテンションにより完成したホイールで、スポークの末端がニップルのどの位置まで来ているかとご理解ください。
①はスポークが短すぎてスポークのねじ山がニップルからはみ出た状態(赤矢印)
②はスポークの末端が右図のBまで来ている状態
③はスポークの末端が右図のAまで来ている状態
④はスポークのねじ山いっぱいまでニップルが締めこまれた状態
①~④までのスポークの末端位置は、それぞれ1mmくらいの差となっています。つまり、仕上がりの状態で①の場合と④の場合では、スポークの長さが3mmしか違わないのです(④が①より約3mm長い)。
スポーク長が①の状態よりも短ければ、スポークのねじ山が露出することとなり、スポーク・ニップル破断のリスクが高まります。④より長い場合は、ニップルがそれ以上回らないのでスポークテンション不足となります(無理に締めこむとスポークがねじれて破断しやすくなります)。
なのでスポーク長の許容範囲は①~④の間と思いきやそうではなく、②~③の間が理想となります。②と③のスポーク長の差は1mmしかないので結構シビアです。
私も初めて使うリムやハブの場合は、組んでみてからスポークの長さ1~2mm合わなくてはじめからやり直すことがたまにあります。こればっかりは「数をこなしてナンボ」の世界なのかもしれません。
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